104】医・易・役・学・芸・忍

どれだけ高尚な事を言っても、上手に教えたと思っても、球歴で説得しようとしても、案外それは指導者の思い違いや自己満足な事も多い。
まず中学生を知り、親を知る事。
我が子可愛さの余り、親のモンスター化も懸念される昨今だが、色々と目線を変えてみる事。
そして指導者自らがもっともっといろんな事を勉強する事と同時に、様々な犠牲をも払い、全くのボランティアながら、悩み苦しみ、チーム及び選手達の為に本気で徳育、指導に取り組んでいる自分に自信と信念、そして夢とプライドを持つ事。
このような事をいつも感じながら、私の中学生に対する指導のモットーは、教え過ぎないこと。
選手がまず自分自身で考え抜く習慣を身に付けさせる事に主眼を置いている。
そして物事に気付くよう導いていく。
見て見ぬふりも大事。
また、ちょっとした変化を気付いてやる事も大事。
決して簡単ではないです。
すぐに答えを言ってやった方が良い場合もあるし、言わない方が良い場合もある。
医者=野球の病を治してやれる指導者。
易者=その子に将来を語ってやれる指導者。
役者=敢えて厳しく、敢えて優しく、演技もする事の出来る指導者。
学者=野球の専門知識が豊富な指導者。
芸者=苦労人であって、心があって、野球を楽しませてやる事の出来る指導者。
忍者=熱く、しかし堪え忍ぶ事の出来る指導者。
「 医易役学芸忍 」  この6つの項目で私は自分を見つめ直す事にしています。
ただし、何より大切なのは、「 常識 」 があり 「 人柄 」 が良いという事。
その 「 人間性 」 が指導者の大前提です。
さらに監督として言わせてもらうならば、着地点を創造出来ない、単なる文句言いなど要らない。
数年前までは5つの項目だったが、広島の呉昭和シニアさんで監督をしている私の大学後輩、梅原監督と会話した際、「 宮本さん、僕は (忍) というのもあった方が良いと思います。」
と言ってくれたので、それ以来6つにしました。
しかし到底、聖者、正者にはなれません。(苦笑)
ちなみにこの梅原って男、良い男でね。
いつも心のある熱いチームを作ります。

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103】大いなる反省

こういうキビキビ感の無い、礼節の欠如したチームになっていくことは解りきっていたのに、外圧に屈した形で、貴重な指導者をベンチから外してしまうという私の大失策、私にとっての大きな反省材料です。
結果責任は私が取る訳だから、私の信じる道を進むべきだった…。
自分の信念の弱さを思い知りました。
相手チームと同じ時刻に球場到着しているのに、のんびり動いて、アップ開始時刻が大きく遅れていても平気。
ピリッとした雰囲気は影を潜め、闘争心は見えて来ない。
グランド整備を相手チームがやっていても平気で自分の事だけをする。
しっかりした挨拶も出来なくなってきた。
これらの事は9月時点では出来始めていた事なのに、三代コーチがコツコツと積み上げて来てくれた貯金を、この僅か2ヶ月で使い果たそうとしている。
こんな状態で技術ばかりを追い求めて何になるというのか!?
楽しく明るくという考えも大切だし否定はしないが、一言二言では理解や修正、改善が出来にくいのが中学生。
楽な方に逃げるのが当たり前の中学生。
ましてや中学2年生というタイミングが一番難しく、野球技術もさることながら、人として、野球人としての礼節基盤を築く最も大切な時期。
したがって、楽しさや厳しさの種類や質、そして比重を間違えるとユルユルのチームになってしまう。
あらゆる策を講じ、選手達に物事の善悪を気付かせなければならない。
ピリッと引き締まったチームを築くには半年も1年も時間がかかるが、緩いチームになっていくのには、そんなに時間はかからない。
チームの質は猛スピードで悪化するし、また、一度緩んだものを元に戻すのはそんなに簡単じゃない。
緩んだチームは、打つ時は調子に乗って安打を連発し大差で勝つが、諦めが早く、負ける時も大差で負ける。
尚且つ接戦にも弱い。
普段からの取り組み姿勢が試合のここ一番で出る訳だから、そういう不安定なチームになるのは当然です。
まだ始まったばかり、誰が悪いという話ではない。
間に合うと思う。
ルール、マナー、エチケットも守り、私に賛同してくださる指導者、御父兄と共に再構築を図りたい。

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102】時代の流れ

数年前には問題にならなかった事が今は問題になり、認められてた事が認められなくなり、許されてた事が許されなくなり、通用していた事が通用しなくなってきています。
残念な部分もありますが現実です。
もちろん時代の流れは無視出来ません。
いくつか間違ってるこれまでの常識を非常識として改めなければならない所もあると思います。
柔軟な姿勢が問われる事になるでしょう。
しかしながら、これが改善ならば、これで良いチームが出来るのならば、それはそれで良いと思うが、全部が全部、良い方向に向かっているとはとても思えないし、かなりリスキーです。
この流れは良くもあり悪くもあり、私は危惧している。
様々な問題が発生している学校の教育現場に酷似しています。
私の知人である中学、高校、大学の指導者や先生は口を揃えて、やりにくい時代になってきたと言う。
我が子可愛さのあまり出てくる父兄の意向がチームになかなか反映されないのは当たり前だし、グランド内での監督の決定事項が絶対的である事も当たり前、指導者が監督の意に反する言動を取る場合は、懐中に辞表を忍ばせ、責任と覚悟を持って動く事も当然だと私は思います。
決して迎合が良いとは思っていない。
それどころか無責任な監督の自分勝手な独裁もあってはならない。
それらの大切な事を充分理解した上で、私にそうならないだけの自信と責任が有るから言っているのだ。
要望は要望として、意見は意見として、それぞれの立場を踏まえ正規の手順で伝えることを遵守すれば良いということ。
節度あるポジティブなコミュニケーションが必要不可欠だと言えます。
そして甘い楽な方に流される事なく大人も連携する事が大切だろうと思います。
これらを認識理解出来ている年は、より良いチームが出来上がります。
ここ数年、チーム状況はとても良くなってきているし、御父兄の並々ならぬ御協力によってグランドなど練習環境は益々良くなって来ています。
欲望は限り無いですが、これを維持し、改善を加え、更なる上を目指したい。

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