155】衆妙の門

日本選手権予選の3回戦敗退から3週間、その決勝戦は福田監督率いる河南シニアさんが柏原シニアさんを下し、優勝。
神戸中央さん、奈良西さんを敗った柏原シニアさんが決勝戦まで進むことは予想していたが、流れを掴み本来の実力を出せて来た河南さんとのタイプの違う両チームの戦いは興味深かったです。
観戦はしていませんが、力の差は無かっただろうと思います。
特に中学生なので、ちょっとしたキッカケ、一投、一打、一走、そして一声が勝敗を左右した可能性が高いのではと思います。
(中学生に限った事ではありませんが)

チームを育成する段階で、若干の岐路に立たされる時があります。
2点3点の差など決してセーフティリードではない、接戦をモノにするのは良い事だが、何が起こるかわからない中学生野球、接戦をもろともせずパワーで圧倒的優位に立ち、投げ勝ち、打ち勝つ、というチーム作り。
一方、走攻守の短所を極力無くし、バントや走塁、守備からリズムを作り、打ち合いにならない限り、確りとした試合運びの出来るチーム作り。
どういう選手達が居る学年かで出来上がるチームタイプは多少変わるだろうが、それでも概ね、その監督が本来持ち合わせている色に染まるのは至極当然。
そしてその両面において卓越しておられるのが、天野柏原シニアさん、山田神戸中央シニアさん、土居奈良西シニアさんであり、後藤北摂シニアさん、西田高砂シニアさん等であろうと私は認識しています。
札幌琴似さん、豊田さん、世田谷西さん、取手さん、佐倉さん等も言うまでもありません。
他にも有能なチームが有りますが彼等を越えなければ全国のてっぺんなんて見えて来ない。
妥協をしない、相応の覚悟を持った1年にしなければならないと考えています。

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154】同志監督

10年前の私はよく怒っていたなぁ。
コーチとしてただ強くしたいだけ、勝ちたいだけ。
どんなチームが相手でも関係ない、牙を剥いて真っ直ぐ向かって行くだけ。
チーム力はあの頃の方が低かったかもしれないが、以外と強かった。
時折顔を見せてくれるOBたちは、「昔のコーチ時代の頃の方が厳しくて、今は優しくなった」と回想を述べてくれる。
私は私、変わってないつもりなのだが、時の流れを感じます…。
選手達、今の方が技量も体格も上。
足りないのは、上達へのこだわり、突き詰めて行く姿勢、そして私のバイタリティーか。
まぁ今の時代、モンスターは出現するし、何かと事を大きくしてしまう傾向にあるし、大人の覚悟も違い、やりにくいかもしれない。
やはり時代に則した指導方法を模索する必要性が有りそうです。
あまり変えたくはないですが…。

先日もある監督さんとそんな話題を肴に食事を御一緒しました。
その監督さん、真面目で熱く、奥も深い。
選手をチームを良くしたいという一心は私と一緒。
実績はあちらが遥かに上。
年上の私の方が見習うべき所がいくつもあります。
実にいいチームを作られる。
共鳴出来る事が沢山あって、その楽しい時間はあっという間に過ぎていきました。
秋からの新チームは静かに穏やかにやっていくかもとおっしゃっていたが、それが、有能な彼でさへもまた、時代を見つめ、苦悩の中より導き出した尊い答えなのかもしれません。
ちょっと寂しいですが…。
2年生、特に1年生が面白いチームになりそうだと聞いています。
お互いが切磋琢磨し良きライバルになれれば幸いです。
また食事に行きましょう。

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153】勝負と道徳

勝負師はどんな手を使ってでも勝ちたいと思う。
私も例外ではない。
しかしアマチュア野球はルール以外のエチケットやマナーも絶対に守るべきです。
その上での勝利にこそ真の価値があると私は思っている。
それが学生野球です。
それを教えずして指導者とは言えない。
品格のない指導者は、品格のない選手を育て、品格のないチームを作る。
試合前に審判を交えて試合の、スピード化、ラフプレーの禁止、相手に対する暴言ヤジの禁止、マナー等々を確認したにもかかわらず、それを理解出来ないのか先頭を切って相手選手をヤジリ飛ばし、審判にも暴言を吐くコーチ。
大人がそんなんだから当然選手達もいけない事とは理解出来ず真似はするわ、悪態はつくわ、スパイクの刃を向けてスライディングしてくる事もあるという、これが青少年育成と言えるのか、子供の為になっているのか、教育上どうなのか、親は納得なのか。
時々見かけるこの哀れで愚かな光景。
スポーツがスポーツでなくなり台無しだ。
スポーツとは、キナ臭く、どす黒く、セコく陰湿なものなのか?
これが我がチーム内であれば私が許さないが、幸い我がチームにその心配はなく、チームを選手達を誇りに思います。
豊中シニアは、相手に対してヤジ禁止、勿論試合中のジャッジに対してもクレーム禁止です。
有する権利として試合中だと監督の立場でジャッジの確認、そして遅延行為にならないよう疑問、質問は試合後に訪ねて行き、聞いていただくようにしています。
審判の方々に敬意を払いつつも敢えて、試合中の愚行を取り締まれる威厳と判断力、また、それを裏付け出来るようより一層の正しく正確なジャッジを、更なる技術向上を期待しております。

チームは最低限の礼儀作法は植え付けながら子供達を育成向上させる必要があると思うし、それが日本の文化であり、伝承していくべき習わしであろうと思う。
古い人間と言われようが、時代が違うと言われようが、それが私。
残さなければならない事のひとつだと認識している。
審判部の皆様には、子供達の事を思う、現場の指導者の私利私欲を捨てた清き意見に対しては、なるべく真摯に耳を傾けていただき、そして一生懸命勝利に向かって純粋にたゆまぬ努力を重ねている子供達の為に更なる公正かつ正確なジャッジをいただけますよう御努力を賜りたいと存じます。

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