85】信用と信頼

社会人になっても体調不良を理由に、割りと簡単に会社を休みがちな大人は結構いる。
その人、人柄は悪くない、まあまあの仕事もする。
従って、ある程度信用することは出来るが、信頼することは出来ない。
残念ながら、いい加減、無責任、自分勝手、等という言葉が付いて回る。
無論、当然、組織の中で重要なポストに就くことは出来ない。
では野球はどうか。
故障が多い、ケガが多い、体調不良等で休みが多い選手。
これ指揮官としてはとても嫌なことで、信頼には程遠い。
もちろん体に違和感があれば早目に言ってくるよう義務付けている。
隠して続けたばっかりに復帰が長引くことにでもなれば良くない。
でもね、体調不良って、ケガや故障と違って、仕方なくない!
ケガも不注意からくるものに関しては容認出来ないが、体調不良も概ね自己管理の範疇でしょう。
そのあたりを御父母はどう思っておられるのだろう?
私なら出来る限り休まない方向で早退も視野に入れて子供と話す。
まずやろうとすることが大前提。
そうしないと子供に悪い怠け癖がつく。
だから我が家は少々の体調不良など関係ない、行くのが当たり前。
それでも、とても無理な状況というのもあるでしょう。
その時はその時です。
キッチリ報告して正々堂々と休めば良い。
普段から、多少の事では休まないという信用がここで活きてくることになる。
その辺の認識が甘いと、休みの多い選手、あてにならない選手、ということになるのではないか。
もちろんレギュラーにはなれません。
現実によく休む子はほぼ決まってます。
こういう積み重ねが親の信頼、選手の信頼に結びつくと私は思っている。
古い考えと思われてもいい。
時代が違うという人もいるだろう。
しかしこれが日本人気質というものだと思う。

84】今後に期待

「練習はウソをつかない」 とよく言われる。
それを地でいってる選手がいる。
うちの清水と吉田だ。
決して上手い方ではない。
しかしバットをよく振る。 とにかくよく振る。
その手のひらの豆は、やがて美味しい豆となり、大成するやろね。
ただ敢えて一言、最低限の守備力はないとチャンスが増えない。
バットを振る気持ちを他の欠点克服にも活かさなければいけない。
ある数名の控えの選手、打撃は悪くない。
どうしたら試合に使ってもらえるのか?
使ってもらえない理由は何か?
指導者から一番指摘されてることは何?
同じ事ばかり言われてないか?
一定レベル以上の体力がないと形も何も無意味。
最低限の能力は必要です。
真面目にやってるのはわかっている。
でもそれは当たり前で普通のこと、特別な事じゃない。
自分の力でプレッシャーを克服しなきゃ、同級生と戦って何をドキドキすることがあるのか?
不調を顔や仕草に出すのも良くない、その姿がチームにプラス影響を与えることはないし、他の選手に失礼だ。
色んな事をそれぞれが気付き自覚した時から新しいステップが始まる。
自己評価を厳しく採点し、気付いて欲しい。  
高校に行けば、全国に同期のライバルが50000人以上いる。
人並みの事をやって真ん中近辺の2万5000位。
今、自分がやってること、意識、チームに対する貢献度、等、50000人中何位のレベルだ?
上から数えて5分の1のところでも、その他大勢の10000位。
上から数えてわずか1%が500人。
自分が今、やってること、考えてること、取り組んでること、出してる結果は?
何位くらいなの? 
将来、野球で飯が食えても食えなくても、今ここで上を目指して必死にやることは絶対に大切なことでしょう!
今から10ヶ月間、ブレずに一生懸命やってごらん、生まれ変われるぞ。
出来ると思うから言っている。
やれば出来る、出来ないのはやってないから!!

最近、嬉しいことに、田中と舩津が何かに気付き、何かを感じながら野球をしている。
待ってたぞ。
次は誰?

83】激戦回想

試合前のシートノック、3人ほど動きの悪い、もしくは重い選手がいた。
全体的にはまあまあの動き。
ほぼいつも通りの動きか。
変に気負ってる選手もいない。
アップの時から意識的に盛り上げようとしてくれてたのは市村、畑、十河。
強豪との対戦直前だが、気後れした感じはなく、普段通りの事が出来ている。
三代コーチからも、まあまあの動きとの報告。
いつも通りの我々の野球が出来る…そう感じる事が出来た。
初回からイヤなランナーの出し方で満塁のピンチ、相手方ベンチからすれば序盤に力を見せつけたかったはずで、この回を抑えれば逆にチャンスが来ると思った。
この試合の1回表裏は単なる初回の攻防ではない、キッチリ戦えるかどうかの重要な深い意味のある1回である。
河本、踏ん張ってくれと祈った。
何とか無失点に抑え、満面の笑みでベンチに帰ってくるナイン、そして迎えるベンチ。
イケるぞ、そんな雰囲気、そして手応えを感じた。
その裏に神戸中央さんのエースを攻め立て先制2点、次の回には橋本がソロホームラン。
「こいつら、いつの間にか力が付いてきたな」
そんな風に感じながらも、大きな波はまだ2つある、エース河本の球は走っていない為、配球を変えざるを得ない、幸い変化球が何とかコントロール出来ている。
河本には前日、どれだけ下半身リードで低めにコントロール出来るかだ、ムキになったら高めに同じ速さの死んだ球が揃ってくるから、そうならいよう我慢しよう、そういう話をした。
我がチームは投手を中心に戦ってきたチーム。
そこに打者の成長が付加されてきてチーム力が上がった。
この1ヶ月間は打撃強化とランナー、ランコー練習に費やした。
不安は河本の投球が高めに揃う事、スッポ抜けのカーブのデットボール、先頭打者を野手の安易なエラーで出塁させる事、キャッチャーのパスボール、ランナー、ランコーの判断、中川の腰痛。
不安が的中し3回に大量6失点。
先頭打者のエラー出塁と6点目が痛かった。
私はこの試合、5点か6点の勝負と思っていたので、正直6点目が入った瞬間ベンチで 「痛い」 と叫んでしまったほどだ。
でも選手達の表情はヤル気に満ち満ちて、まるで負けてる雰囲気はない。
バッティングの調子が出ない畑はチームの為に一生懸命声を出してる、
1打席目にヒットを打ってる宮本は投手事情の為、交代させられてるが、頭を切り替えて回りの選手に声をかけ和ませている、
北浦はショートの守備位置に気付き安定感を出してきた、
市村のいじられキャラ健在、
橋本はおそらく全部ヒットを打てそうな気持ちだっただろう、
渡辺の表情良し、
上神も早く打席が回ってこいっていう雰囲気、
中川は珍しく顔に覇気、
内野の要である十河はすべてにおいて役割を果たしてくれている、
林篤志の目に力があった。(だから代打に出した)
田中と舩津が調子を上げてきているので使う場面があるかも。
控えの3年生もこの日ばかりは違って、戦う顔付きになっている。
ベンチの二年生数人が裏方の役割を果たしていないのは残念だったが、土井コーチが雰囲気を作ってくれ、三代コーチは、「監督、もう一回こっちに波が来ます、我慢しましょう」 と言ってくれる。
私も三代コーチに 「三代さん、野球はうまいこと出来てるで、7回のうちの攻撃は1番橋本からや、7回の表、0点に抑えたら何かが起きるで」 そんな会話をした。

残念ながら7回表の先頭打者をまたエラーから出塁させた1失点がこの日4度目の 「痛っ」 だったが選手逹は輝きを失ってない、3点差で負けてるのに目茶苦茶良い空気が流れている。
こんな雰囲気を味わえるなんて指導者の特権!
こいつらホンマに成長したな、そう静かに思ってたら、3連打で無死満塁。
ランコーのノウハウを伝授している宮岡と打ち合わせをし三塁ランコーに行かせ、打者は4番主将市村。
ちょっと待てよ、このシチュエーションどっかであったぞ、そう、関西大会準々決勝の対大阪福島シニア戦ではないか。
あの時も最終回裏、1死満塁1点差で4番打者の市村、5番上神。
今日は最終回裏、無死満塁3点差で市村、上神。
あの時と今回ではアドバイスを変えた。
よりリラックスして振らせてやるにはどうしたら良いか。
相手投手はアクシデントで岡野君から香川君に再チェンジしてる。
結果は良い当たりのショートゴロダブルプレー、最後はヒット性の当たりをショート馬場くんに好守され試合終了。

負けて本当に悔しいです。
でも何て言うか、ここまで粘り強くなった選手逹が誇らしい。
内田ヘッドコーチや荒木コーチによって始まった君達への躾、教育。
そして高津コーチや三代コーチが手塩にかけて育ててきた最初の学年。
我々の育成方針は間違ってないんじゃないか。
唯一怠け者の私は、良いコーチ、選手、御父母に恵まれ感動的なシーンをいつも最前列で味わうことが出来ます。
感謝。

試合後、死闘を繰り広げたはずなのに、空気が読めずヘラヘラしてる情けない鈍感な選手もいたが、 (そう言えば去年のこの大会試合後も3人ほど無神経なダメ選手がいた)
そんな中、エース河本が目に涙を浮かべて私に近寄ってきた。
「エースとしてのピッチングが出来ず、みんなに迷惑をかけてしまい、すいませんでした」と。
責任を一人で背負い込んで…。
何を言ってるんや河本、お前が居たからここまで来れた。
お前のせいじゃない、お前を責める者なんて誰もいてないよ。
誰よりも厳しく取り組み、一人黙々と走り、一番努力している事を皆が知っている。
5月の連休明けから調子を落としてたが、それは急激に身長が伸び、体格も大きくなったことによる色んなバランスの変化が起因しているため。
君の志し高い努力を他の選手も見習って欲しい。

さぁ次は7月下旬開催の全日本選抜仙台大会。
6年ぶりの権利です。
まだまだやることが沢山ある。
心新たにグランドに来て下さい。
そしてまた特訓です。