203】2飛び級

この春、高校へ進学した豊中シニアOB29人中で、名門、早鞆高校に進んだ谷林がベンチ入りしたとの報告を受けました。
暗い声で公衆電話からかかってきたので、何か悪いことでも起こったのかと一瞬ヒヤッとしましたが、こんな連絡なら何度でもちょーだいって感じです。
技量的にはまだまだでしょうが、サードコーチャーに大抜擢。
何でも、監督さんから、「お前ほど一生懸命声を出す、心ある選手は初めてだ」とのことらしい。
左投手としても有能だし、投手としても一緒に行った石榮共々頑張って欲しいが、まずはどこでも良い、トップチームのベンチに入り、学ぶ事である。
その経験が後に必ず活きてくる。
来年、再来年に入って来る後輩たちの苦悩や相談事にも先輩として幅広く対応出来ると思う。
この谷林って子はね、豊中シニアの3年間、朝1度も親に起こされた事がないんです。
朝寝坊しても親は声をかけない。
遅刻したなら息子本人が悪いのだと。
ユニフォーム類の洗濯も全て本人がする。
弁当も全て自分で作る。
要するに、やりたい事を自分で選んでさせてもらっているのだ、お金だけは親が出すが、それ以外は自分の責任においてやりなさいという親の考え方です。
中学生の息子に対する、凄い判断と躾、教育です、簡単に出来ることではない。
では、その息子がどう育っているか?
選手としても良いが人間性も抜群で、そして子供らしい純粋な面もある。
ホントかわいいヤツです。
回りが何とかしてやりたいと思えてしまう存在です。
大越監督さんからも評価をいただいたという事も素晴らしい事だと思います。

高校1年生かぁ、40年前を思い出すなぁ。
山口鴻城高校に入りたての1年生春5月、私と同じく同級生の川野 (後に早稲田大学で野球部、現在俳優) と2人、私がショートで川野がサード、何と三游間を1年生コンビでレギュラーに抜擢された。
新聞に取り上げられたりもした。
その未熟な2人を鍛える為に参上されたのが当時早稲田大学4年生だった高橋さん (後に鳴門工業監督で現在早稲田大学監督) と鈴木さん (後にNTT東京野球部) だった。
たしか10日間くらいだったけれど、私も川野も怖くてしんどくて逃げ出しちゃった。 (苦笑)
でも2年後、私が副キャプテンで川野がキャプテン、1年生時の経験が大いに役立った。
甲子園には出れなかったが、中国大会優勝は圧巻でした。
話が横道にそれたが、高校野球っていいなと思います。
大学野球も出来れば経験して欲しいと思います。
泣いて笑って、そして夢がある。
色んな苦労と経験があり、絆が生まれるから良い。
共に生きる、正に青春。
私も大人になってから分かりました。

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